ワン アンド オンリー 2025

2025.5.20

ワン アンド オンリー2025 特設ページ

作家自身が選ぶ、渾身の一作と最新作をご紹介する『ワン アンド オンリー』
先生方に出品作品についてのコメントをいただきました。

《展覧会情報》
ギャラリー桜の木 銀座本店
2025年6月15日(日) - 6月30日(月)
11:00-19:00 火曜・祝日休廊

 

“唯一無二の表現”
“かけがえのない存在”
+“特別な作品”

伝統を踏まえ
今様の美を掬い上げ
新時代を創る
気鋭の作家たち

 

小倉亜矢子

「Flower basket」 岩絵具、顔料、銀箔/雲肌麻紙 33.3×53cm

 

色とりどりに咲く春の花。

毎年色合わせを楽しみながら寄せ植えにします。

一つ一つの花の微妙な色合い、隣り合う色どうしの響きあい。

わくわくするようなFlower basketが心を浮き立たせてくれますように!

小倉亜矢子

 

小林海来

「赤と金」ミクストメディア 50×70.5CM

 

とても言葉では言い表しにくいのですが、自分がまだ言葉を知らない、話せなかった子供だった時を想像して下さると分かると思うのですが。絵画のトレーニングをしていくうちに、最初はすごく小さく、後に少しずつ絵画の中のイメージで出来た秩序みたいなものがわかって来ます、その秩序が何かしらの言葉になって、絵画を目の前にすれば会話が出来るようになり、絵画の中で詩を表したり、自分の中に起きたことを言葉ではないその言語でしか表せないようなことを描いてみたり。

その中の言葉ではない言葉遊びをしてみたり。皆それぞれ独自の道を歩みます。私はその自分の中で育った言語で遊ぶのがただただ楽しいです。楽しくなかったら、感動しなくなったら、やはりその会話はまだ何か足りない、または多すぎて何が言いたかったか分からなくなってるのだと思います。そう言った自分の言語を大事にして、新しい単語を作ってみたり新しい物にも自分は出逢いたい一心で進んでおります。

小林海来

 

 

 

↓こちらの動画は2020年12月制作です

 

阪本トクロウ

「花火」 アクリル/高知和紙 60.6×91cm

 

自分の内面を表現するのではなく、

外側の世界を表現したいと思っています。

中心が空洞である「中空」が表現の一つのテーマで、

自らの空洞を意識しながら世界を見たその一断面を提示しています。

 

 

阪本トクロウ

 

 

 

↓こちらの動画は2021年7月制作です

 

 

佐々木理恵子

「光をいだく」岩絵具、水干、銀箔/雲肌麻紙 80.3×116.7cm

 

昨年の軽井沢のワンアンドオンリー展では「光にふれる」で桜の葉を描きました。

今年は「光をいだく」

満開の桜の木陰で、揺れる光と影をのんびりぼんやり眺めながら寛いでください。

 

佐々木理恵子

 

 

 

↓こちらの動画は2020年7月制作です

 

 

橘京身

「せせらぎ」   墨/亀紋宣 104×20.5cm

 

かすかに触れあう水や風の音。

自然の中で広がる清らかで心地よい感覚を表現したいと思い制作しました。

 

橘京身

 

↓こちらの動画は2020年6月制作です

 

 

野依幸治

「人間模様」油彩、砂/キャンバス 72.7×116.7cm

 

私たちは人生の中で様々な人と巡り会い、良い出会いもあれば、時には望まない別れも訪れます。

彼らの事情を知る由もないですが、もしかするとまた何処かで再会するのかもしれません。

野依 幸治

 

 

 

↓こちらの動画は2020年7月制作です

 

田中みぎわ

 

山のなかに入ると

唐松の葉が落ちた道は

ふかふかとした絨毯のようで

踏み心地が良い

 

山の尾根を

ざあっと通り過ぎる

風の音

 

なんとも良い香りが漂う

 

昨夜 雨が降ったから

足もとの落ち葉からか

木々からか

 

湿気をたっぷりと含んだ

葉っぱの香りか

樹皮の香りか

 

香ばしいしっとりとした

芳香が漂っている

 

「いのちの賛歌」 2025年 20×15cm

 

 

気配でふと目が覚めます

まだ暗い空に

木々に掛かる 細い月が奏でる音

夜明けから起き出して

白い息を吐きながら

空が白じんでくるまで

ずっと眺めました

 

「夜明けの星」2024年 15×15cm

 

 

小さい夜のピアノの音

優しい

今朝の夜明けの

細い月みたいだ

そんな音

 

「山灯す」2024年 10×10cm

 

 

目を閉じて

耳をすませば

何十奏もの星の唄が

瞼の上に落ちてくる

 

「夜の詩」2025年 20×15cm

 

 

山の家の 私の部屋を

電車みたいだと感じることがある

ここにいて

私はいつも窓の景色を眺めている

ここにいれば

心身が動かない時も

ただ ぼんやりしていても

ちゃんと私はどこかへ運んでもらえる

窓の外の景色は刻々と変わる

音の伝わり方も変わって聴こえる

また 季節が変わってゆくんだ

この部屋で 私は時間旅行をしているみたいだ

 

「讃歌」2025年 9×14cm

 

 

山は優しい

夕暮れ

長く長く引いた木立の影

例えて言うなら

優しい動物の背中なのかな

あたたかい大地

その背中の上で

私は遊んでいる

 

「山灯り」2024年 10×23㎝

 

 

夜中に忍び寄る雨の足音

懐かしい隣人がやってきた

コツコツコツ…

親しみある、聞き覚えのある足音

目覚めてみると

しっとりと栗の木が

その青葉を濡らしている

 

「慈雨」2012年 39×17cm

 

 

夜の森が好き

ほほ ほほ…と

ふくろうが鳴いている

水の香りがたっぷりする

しっとりとした空気に包まれる

しきりに鳴く動物の高鳴き

木と木は静かに手を取り合って

しんと天を仰いでいる

天には

赤いアンタレスが

目印のように輝く

かすかに…

耳を澄ませば

天使の唄が降ってくる

 

「夜の詩」2025年 17×17cm

 

月の光で

大切な人の足許を照らしたい

その道が明るいものでありますように

 

「灯明」2024年 14×29cm

↓こちらの動画は2020年6月制作です