阪本トクロウ  vol.2  “place to place”

2021.7.9

阪本トクロウ vol.2 "place to place"

待望の阪本トクロウ新作個展「place to place」開催にあたり、その世界観をお伺いしました。

 

「草木」 アクリル/楮紙 F10号(53×45.5cm)

 

私の制作は日常生活から生まれます。
日々の生活の中で出会った風景から全て生まれます。
遠くに行く必要など無く、身の回りにあるものからの発見を元に制作しています。
私の作品制作に重要なことは何より先ずは実感だと思っています。
私のリアルを素直に描きたいと常に思っています。
作品は常に正直に作るべきだと思っています。
結局それが表現としてベストだと思うので。

そしていつも思う事は正直に作る事って本当に難しいと言う事です。

阪本トクロウ

 

 

 

place to place -あちらこちら-

「今回のタイトル”place to place”は、“あちらこちら”という意味。
特別な場所ではないけれど、日々の生活のなかでいろいろな場所に行き、様々なものを見てそれが作品になっていく。
そんな普段の生活の身の周りの“あちらこちら”にモチーフが存在しています」

 

 

「東京に行く機会が少なくなったので、最近は身の周りのものを描くことが多くなりました。枯れた雑草や草木の形など、植物のかたちを観察しているとおもしろく見えてきました。今まで目を向けずにいたモチーフに着目できたのは、この期間の影響かもしれません。
制作の方向は以前と繋がっていて、“隙間の形”を建物や木々で描いています」

 

 

「大学での日本画の勉強は最初に植物からはじめるのですが、だんだん離れていって一周回って戻ってきたような感じもします。いったん植物の形に注目すると、景色を見ていても新たな発見があり面白く感じます」

 

 

新作の、空と草木の作品をカテゴライズすると?
-覗き見の構図-

「大きく僕の作品をわけると、実は3つの構図のパターンがあって、真ん中に何も無い『*中空の構図』、自然や都会から取り出した『抽象文様を全面に置く構図』、桜や遊具などを中心に配置した『日の丸の構図』があることを「アトリエからこんにちは」vol.1でお話ししましたが、今回の新作の、空に草木のシリーズは、いわば『覗き見構図』のような感じです。

手前にモチーフが来て奥に空と雲がある。手前にさえぎるような草木があり、その隙間から奥に雲が見えるという浮世絵のような構図は、フレームを使ってつくる描き方の『中空の構図』の延長にあるバリエーションとも言えますし、また違った視覚的な面白さのある絵がつくれる新しい構図とも言えます」

*中空の構図=枠周りにものを配置し、真ん中に何も無い中空をつくることを意識した構図。

 

 

阪本トクロウにとっての季節

「僕にとっても、四季折々の自然の姿は、密接に作品と関係があります。
桜は、この個展にむけての取材の季節が春だったのでけっこう描くことができました。若葉が出てくる空気のやわらかい、色も鮮やかな季節や、秋も好きですし、冬であれば枯れた草木を描きます。どの季節も良いのですが、絵の構造として、“隙間”の形に着目しているので、必然的に冬や早春の枯れた枝や草を描くことが多くなります。
夏だけは、うっそうと茂った樹木には隙間がないので、実は描きにくい。樹の形のシルエットなどを遠景に描いたりします」

 

 

4つの質問

Q1.今回の個展の主題についてお伺いします。

A.空の雲は昔からずっと描き続けているモチーフで、長い年月描いていますが、何回描いても難しいし、年代ごとに別の感じになります。
今回は、逆光に近い暗い雲を描き、空気の奥行きなどを感じるようにしました。
ぼくのなかではかなりエモーショナルな部類に入るめずらしい作品です(笑)

「フロート 21-038」アクリル/高知麻紙 S3号(27.3×27.3cm)

 

また、雑草や木の形というものに今回注目し、雲に草木を組み合わせた作品を描きました。(雲と空の図だけでも「フロート」というシリーズがある)
当初は、雲を入れないで空と植物だけを描こうとしていましたが、レイヤーを重ねたいと思って、雲を入れて空気の奥行きを合わせてみようと思いました。空に雲だけでも作品として成立している上に描くので、倍のエネルギーであたります。

 

 

 

Q2.「アトリエからこんにちは vol.1」では、日本画の象徴的な主題である「桜」「富士」へ向かう姿勢についてお伺いしましたが、今回の大作、まっすぐ真正面から描かれた富士の作品について教えて下さい。

A.富士山はシリーズでやろうと思っていて、今回は<008>というナンバリングをしています。
「富嶽百景」のつもりで、全部で100の視点を描くつもりです。今回の富士は、これまで描いてこなかった真正面から。こんなに”そのまんまの富士山”はなかなか恐くて描けないのではないかと思ったので、一枚残しておこうと描いた作品です。

「富士 008」アクリル/高知麻紙 S30号(90.9×90.9cm)

 

 

 

Q3.「桜」の作品もまた、進化しましたね。

A.別のものを描きたくなったというか、実験作的に制作しています。
毎年、一年という時間を経て桜と向き合っているので、年々描き方、見え方、見方が自然と変わってきています。周りの人からみると全然変わっていないじゃないか、といわれるかもしれないですけれど。実験をしながら、毎回描き方を変えているのです。

 

 

 

Q4.最近描いていて1番面白かった絵はどれでしょうか。

A.絵はどれも面白いし、楽しいし、苦しいっていうのがあるので、単純に楽しくて楽しくて、と言う絵はまず無いので…難しい質問ですね。

必ず、苦しさとかストレスというものがありつつ、でも、こんなふうに個展があって、締切りがあり、緊張感もあるなかでやっていくっていうのが面白い。

先生自ら、作品を額へ取り付ける作業も大切な個展の準備のひとつ

 

 

 

阪本トクロウ 作品 A〜F

3_飾った様子
1_作品
2_額入り
4_ななめ
5_アップ
6_アップ
7_額アップ
3_飾った様子
1_作品
2_額入り
4_ななめ
5_アップ
6_アップ
7_額アップ

阪本トクロウ作品 A
草木

技法     アクリル/楮紙
制作年    2021年
作品番号   21-043
作品サイズ  F10号(53cm×45.5cm)
額寸     61.7cm×54.2cm×厚み4.4cm
備考     印、サイン有
価格     ¥500.000(税込価格¥550.000)※額代込みのお値段です

「手前にモチーフが来て、奥に空と雲がある浮世絵のような”覗き見の構図”です。枯れた雑草や草木の形など、今まで目を向けずにいたモチーフに着目し描きました」

 

 

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作品は、ギャラリー桜の木銀座店、または軽井沢店にてご覧いただけます。

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