木村圭吾  vol.2  “龍”

2023.10.7

木村圭吾 vol.2 "龍"

*こちらは2021年2月に掲載した記事です

「沢山の先輩方の描いた"龍"を越えなければ、本物の龍に出会えない」
vol.2では、生涯追求していきたいという"龍"について取材いたしました。

 

 

左:「神韻万象」 176×316cm    右:「天地悠遠」 176×260cm

広いアトリエ内に並ぶ四曲屏風2点。

 

 

龍を描く

 

「聖龍」240×90cm

「龍は全ての生き物の頂点。宇宙の中の唯一の大きな生命体として私は描く」
この大作は2006年 11月 海を渡り、フランス・カンヌにて多くの人々を魅了した代表作である。

*木村圭吾 桜アートホールにて(静岡県長泉町)

 

 

東洋の龍、西洋のドラゴン

ワークショップ 2006年11月 フランス・カンヌ

東洋における龍は、中国で生まれた伝説上の生き物であり、「神聖な瑞獣」「尊いもの」神のような存在である。
西洋のキリスト教におけるドラゴンは、魔王(サタン)の化身という立場である。
真逆の存在であるが、子供たちに日本の文化が伝わる貴重な時間となった。

フランスの子供達に龍を描く楽しみを。

※瑞獣…天が地上にくだす吉兆の霊獣

 

プラチナ箔の三爪龍 金箔の五爪龍

「神韻万象」四曲屏風の部分

「天地悠遠」四曲屏風の部分

絹本地にプラチナ箔を全面に貼った上に描かれた龍は三爪
「天下を取っていこうという意気込みの龍として描いている」

絹本地に金箔を全面に貼った上に描かれた黄金龍は五爪
「大きな夢が実現した皇帝龍として描いている」

「爪の本数には階級など、国によっても色々な説がありますが、自分も年齢を重ねて、最近は五爪の龍を描くことが増えましたね」

 

龍の眼


「魂が入る瞬間です。生命の誕生だね」
眼は最後に筆をいれる重要なポイント。描くのに数日、数週間かかることもある。

 

 

 

 龍について Q&A

Q.龍を描くきっかけは?

A.学生の頃、京都の東福寺にある堂本印象の「蒼龍図」に出会った。
何度も何度も見に行き、龍は空想上の生き物だが、全ての生き物の頂点だと思い、日本画家は”龍”の表現が出来てこそだと。自分の姿が投影されているから…。
それから京都の動物園には数えられないほど通ったね。
龍は様々な生き物の集合体だからね。

【九似】
龍の特徴として九似ということが言われます。
●頭(あたま)は駱駝(らくだ)に似ている
●角(つの)は鹿(しか)に似ている
●目(め)は兎(うさぎ)に似ている(異説:鬼)
●耳(みみ)は牛(うし)に似ている
●項(うなじ)は蛇(へび)に似ている
●腹(はら)は蛤(はまぐり)に似ている(実際は「蜃」。大蛇という解釈もある)
●鱗(うろこ)は鯉(こい)に似ている
●爪(つめ)は鷹(たか)に似ている
●掌(てのひら)は虎(とら)に似ている

 

Q.影響を受けた日本画家は?

A.山口華楊先生は動物画の名手。
研究所ではいつも一番前の席で多くの事を学びましたね。
先生は動物を粘土で作り、常に研究をされていました。
“本質まで迫るためには、骨まで理解し、内臓まで描け…”と。
沢山の先輩方の描いた”龍”を越えなければ、本物の龍に出会えない。

Q.龍を描くときに留意することは?

A.長い間、絵の生活をしていて、龍は空想上の生き物だけど、生涯に渡って追求していきたいテーマ。
銀河系での生命の誕生を龍としてとらえ、永遠に続いていく存在として描き続けたい。

Q.龍の作品を飾られる方にひとこと頂けますか?

A.ダイナミックな人生を楽しく歩んで頂きたいですね(笑)

 

 

 木村圭吾 作品 01〜03

5_展示の様子
1_作品
2_額入り
4_分割左
6_ななめ
7_アップ1
8_アップ2
3_分割右
9_アップ3
10_額アップ
5_展示の様子
1_作品
2_額入り
4_分割左
6_ななめ
7_アップ1
8_アップ2
3_分割右
9_アップ3
10_額アップ

木村圭吾 作品01
天空に舞う -皇帝龍-

技法     日本画
制作年    2020年
作品サイズ  F10号(45.5cm×53cm)
額寸     66.6cm×74.1cm×厚み5cm
備考     落款、ともシール有
価格     ¥5.000.000(税込価格¥5.500.000)※額代込みのお値段です

「天空に舞う龍の勇姿は逞しく美しい。次の時代と生きる賢者の登場である」
強い意志を感じる作品。

 

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