小林 海来 先生からのプライベートメッセージ
現在スペインは大変な激動の中にあります。スペイン人は新しく、マスクをすることを学びました。
記憶喪失の患者が目覚めたばかりの如く、ゼロからです。一番大事なことは何か?を皆が繰り返し考えさせられています。
私は誰でここは何処であるのかを、ずっと主題にしてきました。
私だけではなく、哲学的には、絵画は連綿と続くその追求の歴史であると思っています。アプローチの仕方が直接的ではなく、描く者と観る者がそれぞれの自由を持ち、人種も国境も超えて、人によって時によって全く違う答えも作り出せる、優しい手法です。
絵画は私たちの存在を問いかける思索の旅への扉です、ああ、いまは人は動けませんが、絵画は物理的にも旅ができますね。モノそのものでも、デジタルイメージでも。
今後も、皆様とその旅をご一緒できたらと思っております。
いつも支えてくださりありがとうございます。
小林 海来
小林海来 作品01
無題
技法 ミクストメディア
制作年 2015年
作品サイズ 27.2cm×22cm
額寸 36.3cm×31cm×厚さ4cm
備考 サイン有
SOLD
「やはり金属の中では胴がとても好きです。暖かい上、その特徴的な光の反射の仕方がとても落ち着きます。影もあり、その影の中の構図線も際立って面白く映ります」
小林海来 作品02
無題
技法 ミクストメディア
制作年 2019年
作品サイズ 27cm×22cm
額寸 36.3cm×31cm×厚さ4cm
備考 サイン有
価格 ¥100.000(税込価格¥110.000)※額代込みのお値段です
「後で気付いたもので私はキリスト教徒では無いのですが、青と金は古代から崇高なる物を表現する色として聖母マリアに使われていました。
フラ・アンジェリコの『受胎告知』、ファン・デル・ウェイデンの『十字架降下』が描かれた時代(ルネッサンス時代)、ラピスラズリーと金はとても高く、雇い主や君主に頼まなければならなかったそうです。
私は金属の色は平行に反射する特質上とても独特な色と思っており、日本画における金箔の使い方も参考に、青と金を違う感情として捉えてみました。書の片鱗も構図の中に見てとれます」
小林海来 作品03
無題
技法 ミクストメディア
制作年 2015年
作品サイズ 22cm×27.2cm
額寸 31cm×36.2cm×厚さ4cm
備考 サイン有
SOLD
「孔雀の筆を使って面白い形を形成した思い出が有ります。コラージュで作られた白と茶の円、これもコーヒーを飲む時、紙の中で生まれた構図を引き締める円です。
建築家の友達も言っていましたが、物を見るには三つの距離があると言われています。遠くから、少し近づいた様子、そしてごく間近からです。
私の絵にもこれを当てはめています。建造物としての風貌を持たせる時も有ります。
一つの絵に色々な物を乗せ、そのものの複雑さ、又はジレンマを持たせる事により、人間のようにすることもあります。物語はもう一つの存在からしか理解しえない時があるからです」
小林海来 作品04
無題
技法 ミクストメディア
制作年 2019年
作品サイズ 27cm×22cm
額寸 36.1cm×31cm×厚さ4cm
備考 サイン有
価格 ¥100.000(税込価格¥110.000)※額代込みのお値段です
「美は形にありを体現したような作品。色は無く影の濃淡だけ。
アルシュ紙の美しさを無とし、無の中に存在する有、有と無の狭間に生きる自覚を持った生物。
水の動きを取り入れ、書を彷彿とさせる円の動きが追加され、西洋文化の構造美もいろんな線をなしている。
西洋でも東洋でも無い複合的な何か、形を追及した延長線上にできた新しい何か」
小林海来 作品05
無題
技法 ミクストメディア
制作年 2017年
作品サイズ 50cm×70cm
額寸 60.6cm×79.1cm×厚さ4cm
備考 サイン有
価格 ¥245.000(税込価格¥269.500)※額代込みのお値段です
「絵画、又は思想の目的の一つには自由を求めるというものがあります。完全抽象を目指しながらもこの現実に似ている生物がたまに出て来ることがあります。
自由を失わないためにも、具象の様な結果になろうと自由を尊重することも、アーティストとしての責任のように感じます。
この作品では、フグのような形にたまたまなりました。
自分の歴史とスタイルの中に生きる存在を、具象抽象関係なくこれからも描いていきたいと思います。“自由の下に無と有の狭間に生きるふぐ”」
小林海来 作品06
無題
技法 ミクストメディア
制作年 2017年
作品サイズ 33cm×53cm
額寸 41cm×60.5cm×厚さ4cm
備考 サイン有
価格 ¥165.000(税込価格¥181.500)※額代込みのお値段です
「たまたま生まれた墨の濃淡(書の墨を使っています)が、イカの皮膚の色素細胞に似た形になった故、これを受け入れそのままイカとしました。
小さく隣に浮き輪型のモチーフが有りますが、それは自分の使っているノートから生まれた円を壊したもの。コーヒーを飲む時のノートの中で生まれました」
小林海来 作品07
無題
技法 ミクストメディア
制作年 2017年
作品サイズ 33.5cm×53cm
額寸 41cm×60.5cm×厚さ4cm
備考 サイン有
価格 ¥165.000(税込価格¥181.500)※額代込みのお値段です
「筆の動きと形を楽しめます。筆の動きは水の動きに取って代わり、筆の動きの輪郭だけが残っています。行き着いた先は、淡い灰色の幽玄のような、あるような無いような、しかし存在する不思議な形に整っています」
小林海来 作品08
無題
技法 ミクストメディア
制作年 2018年
作品サイズ 99cm×80cm
額寸 現状額装なし
備考 サイン有
SOLD
【額装について】
当社推奨額装にて制作致します。
額およびマットの色は、お選びいただけます。
推奨額装以外でご希望の場合、別途お見積にて制作致します。お気軽にご相談下さい。
「ニーチェの深淵では無いですが、やはりこの作品のもう一人の主人公は後ろの闇であると思います。
ただの黒では無く、確たるものを持ち、墨の黒に終わらないもうひとつの絵。前に来るのは日本画では常に背景になる銀箔でアベコベの作品。色として独特の特性を持ち、感情もそれにともない控え目だけれども怒涛の動きを見せ、静と動、有と無、光と影を楽しませてくれる。
また薄暗い部屋の中でも自らの光を放つ、二つの顔を持つ作品としても自分は楽しみました」
◆ 編集後記 ◆
今回の「アトリエからこんにちは」は、スペインへの取材が叶わず、
完全リモートで制作致しました。
先生自ら、ご制作の様子やメッセージの動画、マドリッドの街並みまで撮影して下さいました!本当にいろいろとお力添えを頂き、心より感謝でございます。
ありがとうございます。
アーティスト人口が多く、熾烈な争いがあるスペインで、
若くして注目を浴び、著名な賞も受賞されている小林海来先生。
今後の更なるご活躍に期待しております。