平松礼二先生からのプライベートメッセージ
昨年の9月に軽井沢のアトリエの渡り廊下から足を踏み外し、下腿部を骨折してしまいました。
4ヶ月以上入退院を繰り返しましたが、現在はこのプロジェクトに専念しています。世界中が新型コロナの影響で暗いニュースが続き、外には全く出られないけど、画家は描くことに集中できますからね。あっ、Tsuruyaに1回買い物に行ったかな(笑)。
好きなビールも飲まず、最初は車椅子のまま、1月から描き通しで、未だかつて無いほどの相当なエネルギーで描いてます。
正直フウ~フウ~です。
実は作品を描くことが出来なかった入院中には、「手摺はつけたが、あの渡り廊下は鬼門だから2度と歩きたくない」と思い、「これから100メートルの大作を完成しなければならないのに・・・」と、焦りもありました。
しかし、そうだ!それならば、渡り廊下を使わずに済むように、アトリエとリビングを直接つなぎ、モネが晩年大作を描くためにアトリエを作った様に、自分も、大作を同時に3点描けるアトリエに拡げてしまおうと。
すぐに地元の建設会社に依頼し改装しましたね。これも骨折をしたからかな(笑)。
偶然の積み重ねだけど、あのオランジュリーの睡蓮の大壁画に出会ってから30年近く経って、当時のモネと同年代になってみると、雲の上の人だったモネの存在が近くなってきて、更にモネが好きになりました。
研究を重ねていると人間くさい部分もみえてきて、僕との共通点が色々あってね。
花が好きで、自然が好きで庭をつくってしまったことはもちろんだけども、モネはカーキチでスピード狂だったとか・・・。実は僕も車大好き。さすがに今は安全運転ですよ(笑)。
平松礼二
平松礼二 作品01
ジヴェルニー 光る池
技法 日本画/絹本
制作年 2016年
作品サイズ P20号(52cm×72.5cm)
額寸 68.5cm×88cm×厚み7cm
備考 落款、ともシール有
価格 SOLD
ノルマンディーの光を金色に見立てて。雀は遊び心から。
キラキラと優しい眩しさのある作品。
平松礼二 作品02
モネの池・柳
技法 日本画/絹本
制作年 2016年
作品サイズ F12号(49.8cm×60cm)
額寸 65.5cm×75.8cm×厚み6.5cm
備考 落款、ともシール有
価格 ¥6.000.000(税込価格¥6.600.000)※額代込みのお値段です
光が池に降り注いで反射している。
赤蜻蛉は僕の相棒。
柳が優しくなびいている。
蜻蛉は勝ち虫 。縁起物。
平松礼二 作品03
すいれんの池・風
技法 日本画/絹本
制作年 2016年
作品サイズ S6号(40.5cm×40.5cm)
額寸 55cm×55cm×厚み6m
備考 落款、ともシール有
価格 SOLD
蝶が舞う。
「古典的な色彩ではなく、可愛く表現するための色彩に」
さらさらと風が渡るような瞬間を切り取った作品。
平松礼二 作品04
モネの池 春秋図
技法 日本画/絹本
制作年 2016年
作品サイズ F6号(31.5cm×40.5cm)
額寸 46cm×54.8cm×厚み6cm
備考 落款、ともシール有
価格 SOLD
西洋ではあり得ない表現を、挑戦するつもりでフランスで発表した作品。ミステリアスで面白いと高い評価を受けたテーマ。
東洋、西洋。時空を越えて。
平松礼二 作品05
すいれん さくら
技法 日本画/絹本
制作年 2016年
作品サイズ S6号(40.5cm×40.5cm)
額寸 55cm×55cm×厚み6cm
備考 落款、ともシール有
価格 SOLD
古典的表現。
バックの池面とさくらの花びらを金色の光で輝かせ、葉は墨色で表現。
あかい睡蓮が凛として美しい。
平松礼二 作品06
モネの池 夢花
技法 日本画/絹本
制作年 2017年
作品サイズ F6号(31.5cm×40.5cm)
額寸 46.8cm×56cm×厚み6cm
備考 落款、ともシール有
価格 SOLD
風のない、静かな池。
金色のバックは金色の雲。
雲の切れ目は池の青さ。
金と群青の組み合わせが古典的に表現された作品。
◆ 編集後記 ◆
不屈の精神!
どんな状況が訪れても、全てをバネにして描き通される平松先生の姿勢に、身の引き締まる思いを強く感じました。
平松先生ご夫妻に優しく見送っていただきながら、アトリエを後にしました。