林 美木子 vol.1 “扇” 後篇

2020.12.4

林 美木子 vol.1 “扇” 後篇

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林 美木子先生からのプライベートメッセージ

 

30年この仕事をしてきて、実物のないものは、資料や文献から最大限詳細を拾って作ってきました。資料もない部分は、約束事の範囲で想像をして作っています。最近、そういった作品を写して、昔からあったように作っている人が出て来て、少し微妙な気持ちになることも正直あります。でもそれは、こういった仕事に目を向けていてくださる方がだんだん増えてきているという証拠であると受け取り、今後もやりたい仕事に邁進していきたいと思います。また展覧会でみなさまとお目にかかれる日を楽しみにしています。

林 美木子

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林 美木子作品01
端午 かわほり扇 薬玉図

技法     大和絵
作品サイズ  59cm×23.5cm
備考     落款有
価格     ¥130.000(税込価格¥143.000)

薬玉は、種々の香料を詰めた錦の袋に、菖蒲や蓬などの薬草、花をあしらい、簾や柱にかけて飾り、家の中に入る邪気を祓うとされてきた。ふわりと舞う有職の糸、御簾を通る優しい風を感じる。

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林 美木子作品02
月次扇 四月 醍醐図 

技法     大和絵
作品サイズ  51.5cm×36.5cm
備考     落款有
価格     ¥220.000(税込価格¥242.000)

豊臣秀吉が京都醍醐寺で催した「醍醐の花見」にちなんだ絵柄。盛大な花見の宴の雰囲気が伝わってくるような華やかさ。

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林 美木子作品03
端午 かわほり扇 菖蒲蓬図

技法     大和絵
作品サイズ  51.5cm×36.5cm
備考     落款有
価格     ¥120.000(税込価格¥132.000)

菖蒲や蓬の香気は邪気を祓うとされ、健康を願った。鎌倉時代より男の子の成長を祝うように。扇とともに飾ったのは、檜の太刀を胡粉で何度も磨き上げ美しく彩色された有職の「菖蒲太刀」。

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林 美木子作品04
源氏物語 扇 葵祭図

技法     大和絵
作品サイズ  51.5cm×36.5cm
備考     落款有
価格     ¥195.000(税込価格¥214.500)

都大路を往く賀茂祭の行列。「源氏物語」にも描かれるみやびやかな祭り。絵巻物のようにしたいと、古色をつけるため地を紅茶で塗っている。墨の線を残して塗る彫り塗りの技法で描かれているのも見どころ。 陽明文庫所蔵の絵巻より抜粋。

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林 美木子作品05
月次扇 六月 柳橋図

技法     大和絵
作品サイズ  51.5cm×36.5cm
備考     落款有
価格     ¥195.000(税込価格¥214.500)

「梅雨時の柳の葉はだいぶ長くなって、その柳の葉の形でだいたいの季節が分かる」金泥で描かれた流水模様も美しい、季節を読み解く楽しみがある1点。

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林 美木子作品06
月次扇 七月 梶鞠図

技法     大和絵
作品サイズ  51.5cm×36.5cm
備考     落款有
価格     ¥195.000(税込価格¥214.500)

平安の貴公子たちの雅な遊びの一つだった蹴鞠。七夕に梶の枝に鞠をくくり、牽牛と織女の二星に手向けたという枝鞠が描かれている。扇に合わせたのは、「御所張子 有職彩色 けまり」。鞠場(まりば)の四隅に植えられる桜、柳、楓、松と、中央には鞠装束の文様が描かれている。

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林 美木子作品07
月次扇 八月 夕顔図

技法     大和絵
作品サイズ  51.5cm×36.5cm
備考     落款有
SOLD

夏季の扇なので、骨は煤竹を使い涼しさを誘う。狂言「花子」で使われる扇の絵柄。
花子が登場する能「班女」でも、扇が重要な役割を持つ。お互いに扇を交換して再会を誓った二人が物語の最後に、黄昏の中で互いの扇を見て探し求めていた恋人と確かめ合い、再会を果たす。

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林 美木子作品08
源氏物語 扇 須磨図

技法     大和絵
作品サイズ  51.5cm×36.5cm
備考     落款有
価格     ¥220.000(税込価格¥242.000)

秋の花が咲き趣のある夕暮れ、光源氏は十五夜の月を眺めながら、沖から聞こえてくる舟唄に耳を傾け、随分遠いところまで来てしまったものだなあと、都にいる人々を思いながら佇む場面。大和絵の定形の図柄を、扇に合わせて描いたオリジナル。

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林 美木子作品09
月次扇 十月 秋草図

技法     大和絵
作品サイズ  51.5cm×36.5cm
備考     落款有
価格     ¥195.000(税込価格¥214.500)

扇は能に欠かすことのできない大事なもの。能「融」で使われる扇の、秋草にすだく虫。
上部両端(つま)には虫籠も描かれ、秋の風情が盛り込まれている。

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林 美木子作品10
月次扇 十二月 洛中師走図

技法     大和絵
作品サイズ  51.5cm×36.5cm
備考     落款有
価格     ¥220.000(税込価格¥242.000)

上杉本洛中洛外図屏風から、京の歳末の風景を切り取って描かれた。新しい年を迎える準備で行きかう人達の賑わい、古の都人の声が聞こえてくるよう。自然に見える町の様子も、開いた時の見え方や、扇面の形に合わせた構図、絵柄の大きさや収まり方が考えられている。

 

◆ 編集後記 ◆

先生のお宅で拝見した菊の扇がとても素敵で、思わず「欲しい!」と言ってしまいました。重陽の節句を祝うパーティに出席する駒夫先生が、赤い物を身につけてというドレスコードのために美木子先生に依頼した扇。手で染めたという美しい赤が、着物姿の帯からちらっと見えて、きっと映えたことでしょう。同じテーブルの方たちからも大変評判だったそうです。


開くと金泥で描かれた菊の絵、裏面は蝶鳥模様。ご注文を受けて下さるとの事なので、早速お願いしました!ご希望の方は、ぜひお問合せ下さい。(岩関)

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