■ Under 50 2016年6月10日(金) - 6月30日(木) / 銀座本店
Under 50
2016年6月10日(金) - 6月30日(木) 午前11時-午後7時 火曜祝日休廊 / 銀座本店
伝統を踏まえ、今様の美を掬い上げ、新時代を創る9名、いま注目の50歳以下の美術家たちをご紹介いたします。
美を追求するスピリッツに満ち溢れた、見逃せない作品が集います。
感性に響く、新たな作品と出合いにどうぞお出かけ下さいませ。
◇出品作家
岩田壮平 大和田いずみ 小倉亜矢子 小林海来 阪本トクロウ
佐々木理恵子 橘 京身 田中みぎわ 野依幸治 (50音順)
◎作家来廊日
6月10日(金)14:00~ 小倉亜矢子 阪本トクロウ 小林海来
6月11日(土)14:00~ 田中みぎわ 佐々木理恵子 橘京身
6月12日(日)14:00~ 大和田いずみ 野依幸治
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大和田いずみ
「Flowers」 油彩 キャンバス 40号
空と花。すべての花は青い空の下に咲く。
その色彩の相性は裏切ることなく素敵なバイブレーションを醸し出し、
私にアイディアを注いでくれます。 ―大和田いずみ
小倉亜矢子
「あけぼの覚えて」 岩絵具 銀箔 雲肌麻紙 50号
昔はものを思わざりけり─
子供のころは当たり前のように受け止めていた身の回りの事象がいかに不思議に満ちているか、
年を追うごとにその不思議さが心に強く迫ってくる。
朝顔もそんな花の一つだ。
ここ数年惹かれてその姿を追いかけ続けている。
朝のほんのひととき、絡まりあい色とりどりに一瞬のきらめきを見せる朝顔の姿を
この世に生きるひとびとの姿になぞらえる。
その人生もまた美に満ちたものになるように祈りを込めて… ―小倉亜矢子
小林海来
「diatoma cup」 インク 墨 コラージュ アルシュ紙 43.5×50cm
自分でも気付かないでやっている事なんですけど良く墨や水を使う時、踊りを意識してしまいます。
その結果よく構図的には螺旋構図になります。踊って螺旋、舞にも踊りにも共通する事なのでしょうか、
必ず何ステップか踏みまた元の位置に戻ります。
絵画も見ている方が作家が踊っている様を連想するのでしょうか、
私は実は良く誰も見ない絵の前で体を揺すります。
それをすると自分の周りの空間を”素直”な空間にしてしまう妄想にかられるのです。
絵画に自分の全てをぶつけるのですから奥底に眠る無限の可能性を持った子供を呼び起こすのです。
基本は遊びです。
面白いか面白くないかだけで良く自分の絵の善し悪しをはからせて頂いております。 ―小林海来
阪本トクロウ
「パララックス」 アクリル 高知麻紙 12号
アランの「幸福論」に下記の文があります。
“憂鬱な人に言いたいことはただ一つ。
「遠くをごらんなさい」
憂鬱な人はほとんどみんな、読みすぎなのだ。
人間の眼はこんな近距離を長く見られるようには出来ていないのだ。
(中略)
夜空や水平線をながめている時、眼はまったくくつろぎを得ている。
眼がくつろぎを得る時、思考は自由となり、歩調はいちだんと落ち着いてくる。
全身の緊張がほぐれて、腹の底まで柔らかくなる。
自分のちからで柔らかくしようとしてもだめなのだ。”
(「幸福論」アラン著・神谷幹夫訳・岩波書店 P.172から)
遠くを見るときのような視線に誘導したいと思いながら、
画面を作っています。 ―阪本トクロウ
佐々木理恵子
「青紅葉」 岩絵具 水干絵具 箔 和紙 円形10号
輝く若葉を見て新しい気持ちになり、
涼やかな青葉を見て静謐な時間を堪能する。
様々な表情を持つ緑の姿を捉えたいと思っています。 ―佐々木理恵子
橘京身
「發身」 朱墨 和画仙 80.5×69.5cm
あばき、はなち、すすむー。
ものごとを始めるときに沸き上がる想い、集中、それを受け、
始まりの時に鳴り響く音とともに、心ではなく、身体そのものが弾ける様を表現した作品です。
“ことのはじまり”を、辺り一面に響き渡らせた今その一瞬に、
己の内と外、
境の消えた空間の中で、
昂揚感に包まれる“發身”を感じて頂けたらという想いで制作しました。 ―橘 京身
田中みぎわ
「天の原」 墨 胡粉 雲肌麻紙 53×33.3cm
天を胸に抱く大地
どこまでも永遠に続いていく地平線
大空の濃い大気の下 野原をひとり彷徨う
まるで大きな神さまの手のひらに かざされているような
その手はやさしく懐に抱えてくれるようで 別れがたい
天は象徴 地は懐
この空をいつも胸に抱きしめていたい ―田中みぎわ
野依幸治
「ぼくはぼくたち」 油彩 砂 キャンバス 10号
吹き出しには "ME" という言葉が書かれています。
この言葉がひっくり返ると、どうなるのか想像してみて下さい。
つまずいた時ほど、人は一人では無いのです。
そんな時こそ、あなたの周りにはきっと良き仲間が集まってくれる事でしょう。
この言葉はそんな素敵なカタチをしているのです。 ―野依幸治
こんな感じがキャンバスから伝わったら嬉しいです。
新しいモチーフ、新しい風景との出会いに感謝して
「好きだ!」と心から感じたものを描いています。
大和田 いずみ
大和田いずみ アトリエからこんにちは "花" 2020年6月
大和田いずみ アトリエからこんにちは "海" 2020年10月
大和田いずみ under50展インタビュー 2022年3月
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感じていること自体のなんと奇跡的なことか。
出来うる限り美しく、生きていこう。
絵画に顕れる私の感得したすべて、
過ごした時のすべてが耀くように。
小倉亜矢子
小倉亜矢子 under50展 インタビュー 2022年3月 » 続きを読む
そしてあたりをみてみれば、
しんとした場所に来る。
ひとりだけだ。しんとした水ぎわ。
それは誰もがなつかしい故郷の風景だ。
田中みぎわ
田中みぎわ インタビュー 2018年5月
田中みぎわ アトリエからこんにちは vol.1 "原点" 2020年6月
田中みぎわ アトリエからこんにちは vol.2 "月と太陽" 2020年10月
田中みぎわ under50展 インタビュー 2022年3月
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作品を観る人が感じるであろう既視感。
結果として作品は共鳴するコミュニケーションの場として機能することにもなるでしょう。
世界を見る「眼」であれば良いと思いながら制作しています。
阪本トクロウ
阪本トクロウ アトリエからこんにちは vol.1 2020年8月
阪本トクロウ アトリエからこんにちは vol.2 2021年7月
阪本トクロウ under50展 インタビュー 2022年3月 » 続きを読む
心奪われる花の生命力
たくさんの美しいものたち
世界中に溢れる心ときめくものから、
たった一つの特別な宝物を作りたい。
そんな気持ちで描いています。
佐々木理恵子
佐々木理恵子 アトリエからこんにちはvol.1 2020年7月
佐々木理恵子 アトリエからこんにちはvol.2 2020年9月
佐々木理恵子 under50展 インタビュー 2022年3月 » 続きを読む
感覚を通じた哲学的なところがあります。
自分の、スペインで育った二世の文化的なパラドックスを生かして、
西洋と東洋、存在、科学、水の物質的感覚をテーマに
これからも表現していきたいと思います。
小林 海来
小林海来 アトリエからこんにちは 2020年11月
小林海来 under50展 インタビュー 2022年3月 » 続きを読む
全霊を傾けて、天然の情緒を生け捕りましょう。
他を構わず素直な表現を筆より先からトロリと生み出してゆければ。
未来は未来、過去とはまったく違うでしょう私の感ずる天然の妙なる姿を、
やっぱり、在るが儘に表現できれば、言うことナシです。
岩田 壮平
岩田壮平 インタビュー 2012年1月
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実像と虚像を用いて、日常という現実と絵画という非日常を結ぼうとしている。
その狭間にいる自分を見失わないようにしっかりと固結びしておこう、と私は思う。
野依幸治
野依幸治 アトリエからこんにちは 2020年7月
野依幸治 under50展 インタビュー 2022年3月 » 続きを読む
対象を自分なりに解釈し、新たな文字表現を求め制作を続けています。
私の制作における根底は書です。
伝達が文字の意義だとすれば、これも一つの伝達の形だという世界を、
書における‘線質、墨色、余白’のもとに生み出していきたいと想っています。
橘京身
橘 京身 アトリエからこんにちは vol.1 "ことば"
橘 京身 under50展 インタビュー 2022年3月
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