龍のよう——新潟・佐渡とニューヨーク、上海、北京

故郷の山河、冬の佐渡
2005年に描いた新旧の上海

9.11が起こる1年前。2000年ニューヨークの日本ギャラリーで個展を開催した。出品した作品は、パリから新潟に戻ったあと、改めて故郷の山河を描こうと思い、冬の佐渡を取材した油画だ。そのシリーズは何度も海を渡り、さまざまな縁に恵まれることになった。NYからわざわざ新潟を訪ねてくれるかたがあったり、佐渡の公民館で意外な好評を得たり。2002年上海中国画院美術館には、新潟の山を描いたものが展示された。

現場で描くというスタイルは、特にパリにいる時に、印象派の画家に倣って始めたものだ。現場は情報量が多い。体いっぱいに感じたことが絵にあらわれる。上海を拠点のひとつとしていたときは、思い切り外光派として描いた。経済発展真っ盛りで、何でもありの上海の街にキャンバスを持ち出して描きまくる。2003年天山山脈南北路の写生旅行に行き上海大学美術学院で展覧会。2004年から上海巨匠芸術館、2005年からは上海751文化研究所にお世話になり上海にアパートを借り毎月2週間通い制作発表をする。新天地壱号館・上海科技大学・アートフェアで絵を出品。2007年上海美術館で個展開催。北京にもアトリエを借り制作2008年新潟県立近代美術館と北京中国美術館で陳輝先生と二人展開催。中国の怒涛のアート事情に刺激を受け製作をする。中国は世界と繋がっていた。アメリカや韓国、フランスから声を掛けていただいた。

思い起こすのは、1984年三浪の春MoMAに初めて行ったときのこと。いつかここで展覧会をしたいと思った。