龍のよう——神仏のおわす場所

焼火神社への登山道を行く。石の鳥居をくぐり緩やかになった道の先、石垣のある建物のところに出る。見晴らしが良い。西ノ島と知夫、さらに遥か向こうに本土が見える。そしてふと左を見ると大きな岩の穴から這い出るように建つ焼火神社がある。怪物のようにその建物はこちらに向かって来るのではないかと。本能的にぐっと体に力が入り思わず後退りした。意表を突かれ一瞬登ってきた疲れも忘れる。そして何とも言い難い畏れを感じた。拝殿の中に入りじっと座っていると地の底から体の中心を通って遙か宇宙の彼方まで噴き出す怒涛のエネルギーの流れを感じた。宇宙の創造力と一体になったような、全てを任せ切れる感じとでも言おうか。安心感!それが焼火神社で最初に感じた事だ。そして2度目訪れた時に10mのキャンバスと絵具を用意して「焼火神社」を描かせて頂いた。描き終えて、絵を拝殿に運び入れる様子は再びエネルギーを注入している様でもあり、その姿は龍のようにも見えた。その絵は2019年七夕に焼火神社で展示させて頂き、現在は焼火山を降り旧美田小学校に展示させて頂いている。