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「I LOVE DRIVING 」展 2008年8月22日(金)〜9月1日(月) ギャラリー桜の木 軽井沢店

この度ギャラリー桜の木 軽井沢では「走る喜び。愛すべきクルマ。動力はハート。」をテーマに、時代・ジャンルを飛び越え縦横無尽に集めたアート作品を展示いたします。

絵画では、独特な空間美が光る現代日本画の俊英・阪本トクロウによる作品、中国現代美術市場を熱くしている水野竜生による本展のための新作「東京cars」、ベルナール・ビュッフェが1984年に発表した「L'automobile」シリーズの石版画全6点、アール・デコの時代にルイ・イカールが描いたモダンガール像「1930年」など。立体作品では、KIRINアートアワードで最優秀賞を受賞した佐藤好彦による“ロックというエネルギーで走るバイク”「Prime Mover」、本田宗一郎へのオマージュ作品「RA2730“SOICHIRO”」などを展示いたします。さらに、1958年フェラーリ・250TRのエンジンを精巧に1/3スケールで再現したオブジェなども登場。

“赤い跳ね馬の間”、“クルマの過去と未来が交錯する部屋”など、部屋毎に設定された世界観を巡りながら、「愛すべきクルマ」の無限ワールドをどうぞお愉しみくださいませ。


ギャラリー桜の木



- 出展作家 -



ルイ・イカール Louis Icart

1888年南仏に生まれ、“良き時代”のパリで活躍し、1922年アメリカに渡り世界的な大成功を納めたフランス人画家。時代が強烈に憧れたフランスの粋とお洒落さを描出し、一世を風靡しました。絵のなかのモダンガールたちはリズミカルな女神像となり、不滅の魅力をたたえ、百年を経た今、北米・ヨーロッパでさらなる再評価が始まっています。本展出品作品は、ミニスカート流行の頃、高級車を操るモダンガールの帰宅姿を描いたもので、ロングドレスの女性が馬車から降りる姿を描いた「1830年」と対で発表された作品。

ベルナール・ビュッフェ Bernard Buffet 

20世紀具象絵画の巨匠、ビュッフェは1928年パリに生まれ、第二次世界大戦の最中に幼少期を過ごします。戦争と貧窮、孤独から開放されたのは20歳の時。批評家賞(ル・クリティック)グランプリを受賞し、世界に大変な衝撃を与えます。受賞直後の若きビュッフェが、まず何よりも先に手にしたのは憧れのスポーツカーであったといいます。生涯車を愛したビュッフェ。1985年にガルニエ画廊で「L’automobile(クルマ)展」を開催、描かれたクルマの肖像は時代のイコンとなり、圧倒的な存在感を放ちます。

テルツォ・ダーリア Terzo Dalia

1947年、エンツォ・フェラーリにより、レーシングチーム運営のために設立された自動車会社・フェラーリ。その精神に共鳴するひとり、テルツォ・ダーリアはフェラーリ本社から30分ほどの場所に居を構え、フェラーリ社との長く特別な関係により、実際の設計図をもとに、すべて本物と同じ構造同じ材質で、一つ一つのパーツまで細部まで精巧に組み立てた1/3スケールのエンジンを創り出しています。すべてが趣味、そして夢の賜物、本作品は日本にあるたった三台のうちの一台。1980年代テスタロッサシリーズの前身となる、1958年の優勝カー250TRの12気筒エンジンです。

水野竜生 Ryusei Mizuno

理知的でイノセント、和でポップな世界観、画面にあふれる勢いの良い楽しさで、いま日本のみならず中国現代美術界をも熱くさせています。1964年新潟県柏崎市生まれ、1989年東京藝術大学美術学部日本画科卒業、2007年上海美術館で個展、2008年北京中国美術館で二人展開催。外光の下で描く水野竜生が、本展出品作を描いたのは東京、代官山。CAFE・ミケランジェロで目の前を通り抜ける車をデッサンし、10センチ四方の画面に100点描き出し、その後組み合わせをすることによって様々なストーリーが生まれた、読む楽しみにもあふれた作品です。

佐藤好彦 Yoshihiko Satoh

工業製品のカタチを超絶技巧によって、よりソウルフルな存在に高め再構築する立体作家・佐藤好彦。

「発達するテクノロジーが生み出した“製品”たちには、多くの歴史と作り上げた人々の魂がある」と語ります。12本ネックのエレキギターでKIRINアートアワード2002グランプリ受賞、海外著名オークションでも高騰するなど、若くして世界的な活躍を続けている現代作家です。1968年埼玉県生まれ、1993年東京藝術大学大学院修士課程修了。

本展出品作は、シート下に組み込まれたスピーカーから、まるでスリーピースのロックバンドのように、ギター、ベース、ドラムのパートが3台に分けられロックサウンドを奏でるという作品。さらに本店では本田宗一郎へのオマージュを120気筒のエンジンであらわした最新作もお愉しみいただけます。

阪本トクロウ Tokurou Sakamoto

1975年山梨県生まれ。1999年東京藝術大学美術学部日本画科卒業。第3回東山魁夷記念日経日本画大賞展、VOCA展2008出品。いま注目の作家です。緻密でニュートラルな絵肌、見たことがあるような風景。広大に拡がる空間の中に、絵を観る側が哲学やポエジーを自在につむいでゆけるような、あらたな絵画観を産む作品です。本展では、運転者の目線で描かれたいくつかの作品を展示します。



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