田中 みぎわ

2020.6.15

自分の中の確固たるイメージと、墨が織りなす偶然性とを対話させていくことが、水墨を描く面白さだと感じています

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Ⅱ. 熊本の大気

 

次に、幼少期の体験を交えながら、そもそも絵を描くようになったきっかけをお話しさせていただきます。

祖父母が熊本に住んでいたので、幼い頃から、母に手をひかれて熊本に帰郷していました。熊本は裾野の広いなだらかな山が連なっているので、飛行機から見下ろすとまるで海原が拡がっているようです。帰郷の度に、海の上で帆を張って出航するように心持ちになりました。

又、熊本と言えば阿蘇山ですが、ここには、大地の力強い鼓動を感じます。阿蘇の火口は地球の中心につながっていて、そこから血潮を上げている。地球は生きているんだ、ということを、ありありと身体全体で感じることができます。

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