平松 礼二

2017.4.10

"江戸・ニッポンの美への驚愕"が起爆剤となった印象派から100年の時を越えて

梅の香の匂やかな2月初旬、鎌倉の平松礼二先生のアトリエにお伺いして、今展覧会について、お話しを伺うことができました。 

印象派が格闘した光を金による表現で自分が描く日本画に持ち込んでみようと

[岩関] 昨夜遅くまでお作品を描いていらっしゃったと伺いました。お疲れのところお時間をいただきましてありがとうございます。

 

[平松] 昨年末から昨夜1時まで、今回の展覧会のための作品制作に、昼夜なく全身全霊で取り組んでいたから。寝る時間も忘れ、孫に会う間も惜しんでね(笑) 老眼鏡に天眼鏡を重ねて、面相筆の先を追っていたから、放心状態。金色の挑戦に必死だったからね。

平松礼二先生のアトリエ

平松礼二先生のアトリエ

 

[岩関] 今回は、フランス ノルマンディとジャポン 江戸・東京をテーマに全作品、金地を背景に描かれたとのこと、その企図をお伺いさせてください。

 

[平松] 僕は50歳の時、パリのオランジュリー美術館でモネの睡蓮の連作との衝撃の出逢いをしてから、現代を生きる日本画家として、印象派の画家たちが描いたモチーフを追いかけてきました。印象派の画家たちが浮世絵や琳派といった日本の芸術に影響を受け、その粋を昇華していったように、彼ら印象派の画家たちの世界を日本画で描いたら、どのような世界が拡がるか、僕なりの彼らへの返歌です。

中でも、光は印象派の重要なテーマ。そして金は日本人の意識の根底にある装飾美や様式美を備えている。印象派が格闘した光を金による表現で自分が描く日本画に持ち込んでみようと。

実は一口に金地といっても、3種類あって、

Ⅰ.絹本に裏から金箔を貼る

Ⅱ.紙本に表から金箔を貼る

Ⅲ.紙に雲母を塗って(紙の目をつぶして)、金砂子を撒く

それぞれ金色の表情が異なるから、それも楽しんでもらえたら、と思っています。

『ジベルニー 光る池』日本画20号  『モネの池 春秋図』日本画6号

『ジベルニー 光る池』日本画20号   『モネの池 春秋図』日本画6号

 

僕は、金は永遠性の象徴だと思う。流行ではなく不変。何百年も人の心に宿るものを描けたら、画家冥利につきるな。

 

[岩関] ありがとうございます。金の奥深い美に溢れる会場が、今から楽しみです。

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平松礼二 ―交差する光―
フランス、ノルマンディとジャポン、江戸・東京

於 ギャラリー桜の木 銀座
2017年4月16日(日)~ 4月30日(日) 火祝休廊 午前11時~午後7時