田中みぎわ 「さんざめく予感」59.7×84.2 墨・雲肌麻紙
田中みぎわ 「予感する野原」 40×150 墨・雲肌麻紙
田中みぎわ 「孤独の客間」 29.3x70
*掲載写真は作品の一部です。各画像をクリックすると拡大します
 
5/18-5/31 田中みぎわ展 さんざめく野の予感 :銀座ギャラリー桜の木

 

初めて作品を前にしたとき、想像以上の圧倒的なスケール感に息を呑みました。
烈しくうごく雲、水、風を眼前にした時の頬に触れる空気までもが思い視え、絵と鑑賞者のあいだに新鮮な感動が通います。
より厳しい皆様の眼で、ギャラリー桜の木が確信を持って推す田中みぎわ作品を どうぞご鑑賞くださいませ。
 
株式会社ギャラリー桜の木 代表取締役社長 岩関禎子

 

田中みぎわ 田中みぎわ MIGIWA TANAKA
1974年生まれ 牡羊座、O型 東京都出身

幼少の頃、母方の故郷・熊本で出会う刻一刻と変わる海と空の光景に心震わせたのが 絵を描き始めるきっかけとなる。 好きな作家は宮沢賢治。

blog 「私は自然の一部になりたい」
http://migiwalog.exblog.jp

- 略歴 -  
1999年
東京藝術大学大学院修士課程美術研究科日本画専攻 修了
2002年
「墨戯ー魅惑の水墨画」岡山県立美術館
「トリエンナーレ豊橋」 豊橋市 美術館
2003年
「美術館ワンダーランド自然のなかで」豊科近代美術館
2005年
「VOCA 展 2005 」上野の森美術館 (府中市 美術館賞)
2006年
公開制作「私は自然の一部分でありたい」 府中市 美術館
他 個展・グループ展多数 
品収蔵
北海道立釧路芸術館、 府中市 美術館

【展覧会によせて】

水の緩みを待ちこがれ、春の予感を噛み締める。私にとっては季節の移り変わりが見せる光景はいつもは奇跡です。

ねむけをさそう土の匂い、野から、地中から、春の予感にはちきれんばかりの歓喜と期待で低く脈打つのが聴こえる。

大地がその身体を揺るがすようにして生命の兆しを唄うのです。その毎日のわずかな兆候を感じることは、この世界に根ざし生きていることを実感する手がかりではないでしょうか。私にとって四季自然と絵の制作活動は救いであり、この世界に留まることの助けであり、それはこの世界がどんなに慈愛に満ちているかを知らしめてくれるのです。

そして毎日の夕暮れに立ち合いたいという思いから、私は山野へ出掛けていくのです。

ああ心の野原よ、汲み尽くすことの出来ない歓喜と悲哀、こども時代の憧憬よ。青草の芳香、まぶたに赤く映る残像よ。なぜこうもおまえが懐かしいのか。わたしの胸にある庭が呼び覚まされる。野が誘う、枝々が奏でる唄よ。ここを神の客間といわずしてなんというのだろう。

田中みぎわ
  銀座ギャラリー桜の木    


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